強化学習

強化学習1-2 預金の詳細と仕訳方法(当座預金・普通預金・定期預金)【日商簿記3級】

強化学習1-2では、預金を表す勘定科目「当座預金」「普通預金」「定期預金」の詳細と仕訳方法について学びます。

日商簿記3級試験では「当座預金」が最も重要ポイントになりますが、

目次

まずは、3つの預金口座の違いを確認

各勘定科目の詳細を解説する前に、当座預金口座・普通預金口座・定期預金口座に3つの預金の違いをまず確認していきましょう。

そもそも、当座預金口座とは?

当座預金口座とは、
小切手や手形の決済をすることを目的として開設する口座のこと

当座預金口座は、日本国内では主に法人や一部の個人事業主が使う銀行口座です。
普通預金との最大の違いは手形や小切手が使える点にあります。
当座預金口座は、審査があるため個人での開設は難しくなります。

当座預金口座の特長

※日商簿記3級受験のためには、次の特長のうち太字部分が分かっていればOKです。

  • 口座開設時に審査がある
  • 利子(利息)がつかない
  • 小切手・手形で支払いや引き出しをするので手数料がかからない
  • 通帳やカードはなくATMは使えない
  • 1日の出金限度額に制限がない
  • 金融機関が破綻しても預金が全額保護される
  • 当座貸越契約結ぶと残高が0円でも支払いが可能
  • 不渡りを2回出す、銀行との取引ができなくなる(=事実上の倒産)

切手・手形での支払いと当座貸越(とうざかしこし)契約後に残高0円でも支払いができることは、簿記の試験のためにしっかり押さえるべき点です。

そもそも、普通預金口座とは?

普通預金口座とは、
自由に預入・払戻をすることができる預金口座のこと

普通預口座は、個人だけでなく法人・個人事業主でも開設でき、取引先への支払いや振込などに使用されています。

普通預金預金口座の特長

※日商簿記3級受験では問われない+αの知識です。

  • 口座開設時に審査がない(本人確認のみ)
  • 利子(利息)がつく
  • 通帳やカードがありATMが使える
  • 支払いや引き出し時に手数料がかかる
  • 1日の出金限度額に制限がある
  • 満期がなくいつでも
  • ペイオフ制度により金融機関が破綻した時の保証は1,000万円まで

そもそも、定期預金口座とは?

定期預金口座とは、
はじめに預け入れ期間を決めて利用する口座のこと

1年、2年、3年後など、満期日まで基本的に引出しができませんが、一定期間預け入れるので、普通預金に比べて金利が高いという特徴があります。

日商簿記3級試験で「定期預金」に関する問題は、滅多に出題されないのですが第144回に出題されました。

勘定科目「当座預金」の詳細と仕訳

勘定科目「当座預金」とは?

勘定科目「当座預金」とは
当座預金口座への預け入れ・引き出し、小切手・約束手形の決済の際に使う勘定科目

勘定科目「当座預金」の所属グループ

勘定科目「当座預金」は「資産」の勘定科目に所属します。

基礎学習8で学んだ通り、資産のグループに属する勘定科目の定義は、
【①現金・預金または②将来、お金やサービスを受け取る権利】です。

勘定科目「当座預金」の借方貸方

勘定科目「当座預金」は、「資産」の勘定科目なので、複式簿記の借方貸方は次のようになります。

資産の増加 必ず、借方に記録
資産の減少 必ず、貸方に記録

仕訳に慣れるまでは、基礎学習6で学んだこの図をメモやノートに書くのがおすすめです。


これが何か思い出せない方は、基礎学習6を後で復習してみてください。

勘定科目「当座預金」の仕訳のタイミング

日商簿記3級試験で出題される「当座預金」の仕訳のタイミングは次の通りです。

  1. 当座預金口座の残高が増えたとき
    →(1)現金を預け入れたとき
    →(2)自分が振り出した小切手(自己振出小切手/自店振出小切手)を受け取ったとき
    →(3)他社が振出した小切手(他人振出小切手)を受け取り、ただちに当座預金に預けたとき
  2. 当座預金口座の残高が減ったとき
    →(1)自分で小切手を振り出したとき
    →(2)自分が振り出した約束手形(支払手形)が支払期日(満期日)に決済されたとき
    →(3)当座預金から支払をしたとき

①-(2)の自己振出小切手(自店振出小切手)の詳細は強化学習1-●で、②-(2)の約束手形は強化学習1-●で詳しく解説します。

②-(3)他人振出の小切手(他者振出小切手)を受け取り、ただちに当座預金に預けたときは、日商簿記3級試験で引っ掛け問題のように出題されます。
強化学習1-●で学んだ通り、「他人振出小切手」は、直ぐに現金に換金できる通貨代用証券のひとつなので勘定科目「現金」で仕訳をするのですが、問題文に「直ちに当座預金に預け入れた」と書かれた場合には「当座預金」で仕訳を行います。

勘定科目「当座預金」の仕訳を例題を使って解説

1)当座預金(資産)が増えたときは左側の借方

基礎学習6で学んだ通り資産の増加は必ず借方に記録をします。

例1)当座預金に現金¥1,000を預け入れた。

この取引内容は次のように仕訳します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
当座預金 1,000 現金 1,000

【仕訳の解説】

  • 当座預金の残高が増えたので、「当座預金の増加」と判断します。
  • 当座預金は「資産」の勘定科目なので、増加は借方に記録します。
  • 現金を預け入れたので、手元の現金が減ります。よって「現金の減少」と判断します。
  • 現金は「資産」の勘定科目なので、少は貸方に記録します。
  • 複式簿記の場合、借方と貸方の金額は必ず一致します。
例2)商品¥50,000を売り上げ、代金は以前に自店で振り出した小切手で受け取った。

この取引内容は次のように仕訳します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
当座預金 50,000 売上 50,000

【仕訳の解説】

  • 「商品¥50,000を売り上げ」から「売上の増加」と判断します。
  • 売上は「資産」の勘定科目なので、増加の場合は貸方に記録します。
  • 自店で振り出した小切手(自社振出小切手)を受け取ったときには「当座預金」が増えたと考えます(理由はあとで解説します)。
  • 当座預金は「資産」の勘定科目グループなので、増加は借方に記録します。なお、小切手・自社振出小切手という勘定科目はありません。
  • 複式簿記の場合、借方と貸方の金額は必ず一致します。
例3)B商店に商品を販売し、その代金¥6,000を同店振出の小切手で受け取った。小切手は直ちに当座預金に預けた。

この取引内容は次のように仕訳します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
当座預金 6,000 売上 6,000

【仕入の解説】

  • この問題は、試験で狙われる「他人振出小切手」の引っ掛け問題です。
  • 同店振出の小切手とあるので「他人振出小切手」だと判断します。(同店=B商店)
  • 「他人振出小切手」の勘定科目は「現金」なので、現金で仕訳をしたいところですが、「小切手は直ちに当座預金に預けた」とあるので、勘定科目「当座預金」で仕訳をします。ここが引っ掛け問題の所以です。
  • 預け入れで当座預金の残高が増えるので「当座預金の増加」と判断します。
  • 当座預金は「資産」の勘定科目なので増加の場合には借方に記録します。
  • 商品を販売したときは勘定科目「売上」を使い、「売上の増加」と判断します。(勘定科目「売上」は強化学習1-●で解説します)
  • 売上は「収益」の勘定科目なので増加の場合には貸方に記録します。
  • 複式簿記のルール通り借方と貸方の金額は一致します。

2)当座預金(資産)が減ったときは右の貸方

基礎学習6で学んだ通り資産の減少は必ず貸方に記録をします。

例1)仕入先から商品Aを購入し、代金の¥50,000を小切手で支払った

この取引内容は次のように仕訳します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
仕入 50,000 当座預金 50,000

【仕訳の解説】

  • 商品を仕入れたときは勘定科目「仕入」を使い、「仕入の増加」と判断します。(勘定科目「仕入」は強化学習1-●で解説します)
  • 仕入は「費用」の勘定科目なので、増加した場合には借方に記録します。
  • 自分で振り出した小切手は勘定科目「当座預金」を使い、「当座預金の減少」と判断します。(理由はあとで解説します)
  • 当座預金は「資産」の勘定科目なので、減少の場合には貸方に記録します。
  • 複式簿記の場合、借方と貸方の金額は必ず一致します。

【自分で発行した(振り出した)小切手が「当座預金」になる理由】

「そもそも、当座預金口座とは?」で触れた通り、当座預金口座は、小切手や手形の決済をすることを目的として開設する口座のことです。

小切手を自分で発行する(振り出す)ということは、当座預金口座からお金が引き出される、つまり残高が減るということになります。

よって、先ほどの仕訳で「自分で発行した(振り出した)小切手は勘定科目「当座預金」を使い、「当座預金の減少」と判断します。」と解説したのです。

ただし、小切手は誰が発行した(振り出した)かで仕訳が変わるので、違いをよく理解しておく必要があります。

小切手の詳細は強化学習1-●で詳しく解説しています。

例2)仕入先宛に振り出した約束手形¥300,000が本日満期日となり、当座預金から決済したとの連絡を銀行から受けた。

この取引内容は次のように仕訳します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
支払手形 300,000 当座預金 300,000

【仕訳の解説】

  • 「仕入宛振り出した約束手形」は勘定科目「支払手形」を使用します。(約束手形・支払手形の詳細は強化学習1-●で解説)
  • 満期日で決済されたので、「支払手形の減少」と判断します。「支払手形」は、お金を支払う義務を表すので、お金を支払えばその義務がなくなります。なので「減少」です。
  • 支払手形は「負債」の勘定科目なので、減少の場合には借方に記録します。
  • 支払手形の決済ということは、支払なので、「当座預金の減少」と判断します。
  • 当座預金は「資産」の勘定科目なので、減少の場合には貸方に記録します。
  • 複式簿記の場合、借方と貸方の金額は必ず一致します。
例3)取引銀行から¥1,000,000を借りていたが、支払期日が到来したため利息¥10,000と合わせて当座預金から返済した。

この取引内容は次のように仕訳します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
借入金
支払利息
1,000,000
10,000
当座預金 1,010,000

【仕訳の解説】

  • 当座預金から返済したので「当座預金の減少」と判断します。
  • 当座預金は「資産」の勘定科目なので、減少の場合には貸方に記録します。
  • 当座預金の金額は、借りたお金¥1,000,000+利息¥10,000の¥1,001,000です。
  • 借りたお金には勘定科目「借入金」を使います。(借入金は強化学習1-●で解説します)
  • 返済したということで「借入金の減少」と判断します。借入金は、将来お金を返す義務を表すので、返済したらその義務がなくなります。よって「減少」になるのです。
  • 借入金は「負債」の勘定科目なので、減少の場合には借方に記録します。
  • 借入金の金額は元金なので¥1,000,000です。
  • 借入により生じた利息は勘定科目「支払利息」と使用します。(支払利息は強化学習1-●で解説します)
  • 利息を支払ったので「支払利息の増加」と判断します。
  • 支払利息は「費用」の勘定科目なので、増加した場合には借方に記録します。
  • 支払利息の金額は¥10,000です。
  • 複式簿記の場合、借方と貸方の金額は必ず一致します。

勘定科目「当座預金」で仕訳ける小切手「自己振出小切手」の詳細

自己振出小切手(じこふりだしこぎって)とは?

自己振出小切手(自店振出小切手)とは、
自分が発行した小切手のこと

ひとつ前の強化学習1-1でも学びましたが、小切手を発行する人を「振出人(ふりだしにん)といい、小切手を発行することを「振り出す」といいます。

自分で発行した小切手=自分振出しの小切手=自己振出小切手となります。

振出人が自分の小切手「自己振出小切手」は、勘定科目「当座預金」で仕訳をします。

小切手を振り出したら当座預金で仕分ける理由

そもそも、小切手は当座預金口座を開設していないと使用できず、当座預金口座からの支払いをするために小切手が存在します。

小切手を受け取った相手は、金融機関ですぐに換金できるので、小切手を自分で払い出した瞬間に当座預金の残高が減ると簿記上では考えるのです。

もちろん、実際には小切手を受け取った人がその瞬間に金融機関で換金することはほぼありません。

ですが、簿記では【小切手を振出す=即換金される=即当座預金残高が減る】と考えます。

これは、こういうルールだと割り切るしかありません。

よって、小切手を振り出した場合には、当座預金の減少で仕訳をするのです。

同じ小切手でも誰が振出人かで、使用する勘定科目が変わるので仕訳の際には注意が必要です。
ひとつ前の強化学習1-1学んだ、振出人が他者の小切手「他人振出小切手」を受け取った場合には、勘定科目「現金」で仕訳をします。

「自己振出小切手」の仕訳のタイミング

自己振出小切手の仕訳のタイミングは次の2つです。

  1. 小切手を振り出したとき
  2. 自己振出小切手を受け取ったとき
    =取引先が、以前こちらが(自分が)振り出した小切手で支払いをしてきたとき

「自社振出小切手」の仕訳を例題を使って解説

例1)仕入先から商品Aを購入し、代金の¥50,000を小切手で支払った

この取引内容は次のように仕訳します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
仕入 50,000 当座預金 50,000

【仕訳の解説】

  • 「小切手で支払った」とあるので、自分で振り出した小切手「自己振出小切手」の仕訳だと判断します。
  • 小切手を振り出したときは「当座預金の減少」だと判断します。
  • 当座預金は「資産」の勘定科目なので、減少の場合には貸方に記録します。
  • 商品を仕入れたときは勘定科目「仕入」を使い、「仕入の増加」と判断します。(勘定科目「仕入」は強化学習1-●で解説します)
  • 仕入は「費用」の勘定科目なので、増加した場合には借方に記録します。
  • 複式簿記の場合、借方と貸方の金額は必ず一致します。
振り出した小切手が増えたと考えてはNGです。小切手を振り出す=当座預金の残高が減ると考えなくてはいけません。
例2)A商店の売掛金¥50,000を以前、同店宛てに振り出した小切手で受け取った。

この取引内容は次のように仕訳します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
当座預金 50,000 売掛金 50,000

【仕訳の解説】

  • 「同店宛てに振り出した小切手」から自分で振り出した小切手「自己振出小切手」の仕訳だと判断します。
  • A商店に渡していた「自己振出小切手」が手元に戻ってきたので「当座預金の増加」と判断します。振り出した時に当座預金の減少だったので、その分増加させます。振り出した小切手ががキャンセルされてお金が戻ったイメージです。
  • 当座預金は「資産」の勘定科目なので、減少の場合には貸方に記録します。
  • 「売掛金」は、商品やサービスを顧客に掛け(後払い)で販売したときに「後で顧客からお金を受け取る権利」のことを指します。(勘定科目「売掛金」は強化学習1-●で解説します)
  • 顧客から売掛金の代金を受け取った時点で、後でお金を受け取る権利がなくなります。よって、権利が「減る(減少)」と考えます。
  • 売掛金は「資産」の勘定科目グループなので、減少は貸方に記録します。
  • 複式簿記の場合、借方と貸方の金額は必ず一致します。

小切手は誰が振り出したかによって使用する勘定科目が変わります。

強化学習1-1で学習した通貨代用証券の他人が振り出した「他人振出小切手」は、勘定科目「現金」で仕訳をします。

今回学習した自分が振り出した「自己振出小切手」は、勘定科目「当座預金」で仕訳をします。

この2つは日商簿記3級試験で引っ掛け問題になるので、間違えないよう違いをしっかり理解しておきましょう。

詳しくは強化学習1-●を書くにしてください。

勘定科目「当座預金」の仕訳(借方貸方)を一覧で確認

当座預金の仕訳処理
出来事 仕訳
借方科目 金額 貸方科目 金額
預金残高が増えた 当座預金 XXX,XXX 現金、預金、受取利息 XXX,XXX
預金残高が減った 現金、預金 XXX,XXX 当座預金 XXX,XXX
小切手を振り出した(=預金が減ると考える) 現金、預金、費用の勘定科目など XXX,XXX 当座預金 XXX,XXX
自己振出小切手を受け取った(=振出時に減らした分を戻す=預金が増えると考える) 当座預金 XXX,XXX 売掛金、収益科目など XXX,XXX

 

勘定科目「普通預金」の詳細と仕訳

勘定科目「普通預金」とは?

勘定科目「普通預金」とは
普通預金口座への預け入れ、引き出しの際に使う勘定科目

勘定科目「普通預金」の所属グループ

勘定科目「普通預金」は「資産」の勘定科目に所属します。

勘定科目「普通預金」の借方貸方

勘定科目「普通預金」は、「資産」の勘定科目なので、複式簿記の借方貸方は次のようになります。

資産の増加 必ず、借方に記録
資産の減少 必ず、貸方に記録

仕訳に慣れるまでは、基礎学習6で学んだこの図をメモやノートに書くのがおすすめです。


これが何か思い出せない方は、基礎学習6を後で復習してみてください。

勘定科目「普通預金」の仕訳のタイミング

日商簿記3級試験で出題される「普通預金」の仕訳のタイミングは次の通りです。

  1. 普通預金口座の残高が増えたとき
    →(1)現金を預け入れたとき
    →(2)別口座から預け入れたとき(資金移動)
  2. 普通預金口座の残高が減ったとき
    →(1)現金の引き出しをしたとき
    →(2)送金をしたとき
    →(3)引き落としがあったとき
    →(4)別口座に送金したとき(資金移動)

勘定科目「普通預金」の仕訳を例題を使って解説

1)普通預金(資産)が増えたときは左側の借方

基礎学習6で学んだ通り資産の増加は必ず借方に記録をします。

例1)普通預金に現金¥1,000を預け入れた

この取引内容は次のように仕訳します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
普通預金 1,000 現金 1,000

【仕訳の解説】

  • 預け入れているので「普通預金の増加」と判断します。
  • 普通預金は「資産」の勘定科目グループなので、増加の場合には借方に記録します。
  • 預け入れているので手元の現金が減りため「現金の減少」と判断します。
  • 現金は「資産」の勘定科目グループなので、減少の場合には貸方に記録します。
  • 複式簿記の場合、借方と貸方の金額は必ず一致します。
例2)A銀行の普通預金口座にB銀行の普通預金口座から¥30,000を送金した。
なお、当社では複数の金融機関において預金口座を開設する予定があるため、口座ごとに勘定を設定することにした。

この取引内容は次のように仕訳します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
普通預金A銀行 1,000 普通預金B銀行 1,000

【仕訳の解説】

  • A銀行もB銀行も普通預金ですが、銀行が異なるので別ものになります。
  • A銀行は預金残高が増えるので、「普通預金の増加」と判断します。
  • B原稿は預金残高が減るので、「普通預金の減少」と判断します。
  • 普通預金は「資産」の勘定科目なので、増加の場合には借方、減少の場合には貸方に記録します。
  • なお、どちらも普通預金なので「普通預金●銀行」のように記録します。AとBを間違えないようにするのがポイントです。
  • 複式簿記の場合、借方と貸方の金額は必ず一致します。

【複数の口座を開設した場合の仕訳処理(平成31年改定論点)】

平成31年(2019年)から複数口座を開設している場合の仕訳が出題されるようになりました。

複数口座を開設している場合、今回の例題の仕訳のように「普通預金●●銀行」「当座預金▲▲銀行」と銀行名を記載します。

2)普通預金(資産)が減ったときは右側の貸方

基礎学習6で学んだ通り資産の減少は必ず貸方に記録をします。

例1)普通預金から¥5,000を引き出した

この取引内容は次のように仕訳します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金 5,000 普通預金 5,000

【仕訳の解説】

  • 預金を引き出し、残高が減ったので「普通預金の減少」と判断します。
  • 普通預金は「資産」の勘定科目なので、減少の場合には貸方に記録します。
  • 預金を引き出し、手元の現金が増えたので「現金の増加」と判断します。
  • 現金は「資産」の勘定科目なので、増加の場合には借方に記録します。
  • 複式簿記の場合、借方と貸方の金額は必ず一致します。
例2)買掛金¥50,000を普通預金口座から仕入先の銀行口座に送金した

この取引内容は次のように仕訳します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
買掛金 50,000 普通預金 50,000

【仕訳の解説】

  • 預金口座から送金し、残高が減ったので「普通預金の減少」と判断します。
  • 通預金は「資産」の勘定科目なので、減少の場合には貸方に記録します。
  • 買掛金の代金を支払ったので、「買掛金の減少」と判断します。(勘定科目「買掛金」の詳細は強化学習1-●で解説)
  • 買掛金は「負債」の勘定科目なので、減少の場合には借方に記録します。買掛金は仕入れの際に代金を後払いにした際に使用し、将来お金を支払う義務なので「負債」になります。
  • 複式簿記の場合、借方と貸方の金額は必ず一致します。
例3)店舗の駐車場として使用している土地の賃借料¥60,000が普通預金口座から引き落とされた

この取引内容は次のように仕訳します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
支払地代 60,000 普通預金 60,000

【仕訳の解説】

  • 預金口座から引き落とされ、残高が減ったので「普通預金の減少」と判断します。
  • 通預金は「資産」の勘定科目なので、減少の場合には貸方に記録します。
  • 本業に関係する土地の賃借料の勘定科目は「支払地代」を使います。(勘定科目「支払地代」の詳細は強化学習1-●で解説)
  • 支払地代の支払いをしたので「支払地代の増加」と判断します。
  • 支払地代は「費用」の勘定科目なので、増加の場合には借方に記録します。
  • 複式簿記の場合、借方と貸方の金額は必ず一致します。

勘定科目「普通預金」の仕訳(借方貸方)を一覧で確認

普通預金の仕訳処理
出来事 仕訳
借方科目 金額 貸方科目 金額
預金残高が増えた 普通預金 XXX,XXX 現金、預金、受取利息 XXX,XXX
預金残高が減った 現金、預金、費用の勘定科目など XXX,XXX 普通預金 XXX,XXX

勘定科目「定期預金」の詳細と仕訳

勘定科目「定期預金」とは?

勘定科目「定期預金」とは、
定期預金口座への預け入れ・解約・満期時の受取の際に使う勘定科目

勘定科目「定期預金」の所属グループ

勘定科目「定期預金」は「資産」の勘定科目に所属します。

勘定科目「定期預金」の借方貸方

勘定科目「定期預金」は、「資産」の勘定科目なので、複式簿記の借方貸方は次のようになります。

勘定科目「普通預金」は、「資産」の勘定科目なので、複式簿記の借方貸方は次のようになります。

資産の増加 必ず、借方に記録
資産の減少 必ず、貸方に記録

仕訳に慣れるまでは、基礎学習6で学んだこの図をメモやノートに書くのがおすすめです。


これが何か思い出せない方は、基礎学習6を後で復習してみてください。

勘定科目「定期預金」の仕訳のタイミング

仕訳のタイミングは次の通りです。

  1. 定期預金口座の残高が増えたとき
  2. 定期預金口座の残高が減ったとき

勘定科目「定期預金」の仕訳を例題を使って解説

※日商簿記3級試験で「定期預金」はめったに出題されません。

1)普通預金(資産)が増えたときは左側の借方

基礎学習6で学んだ通り資産の増加は必ず借方に記録をします。

例)普通預金口座から¥200,000を定期預金口座へ預け入れた。

この取引内容は次のように仕訳します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
定期預金 200,000 普通預金 200,000

【仕訳の解説】

  • 普通預金の残高が減ったので「普通預金の減少」と判断します。
  • 通預金は「資産」の勘定科目なので、減少の場合には貸方に記録します。
  • 定期預金は残高が増えたので「定期預金の増加」と判断します。
  • 通預金は「資産」の勘定科目なので、増加の場合には借方に記録します。
  • 複式簿記の場合、借方と貸方の金額は必ず一致します。

2)普通預金(資産)が減ったときは右側の貸方

基礎学習6で学んだ通り資産の減少は必ず貸方に記録をします。

例)満期定期預金¥500,000を利息¥8,000(源泉所得税等¥2,000円差引後)とともに普通預金へ振り替えた

この取引内容は次のように仕訳します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
普通預金
租税公課
506,000
2,000
定期預金
受取利息
500,000
8,000

定期預金と普通預金は両方とも資産の勘定科目なので、口座残高が増加した普通預金は借方、口座残高が減少した定期預金は貸方に記録します。

利息の勘定科目は「受取利息」です。支払利息は「収益」グループの勘定科目なので、増加は貸方に記録します。

源泉所得税等の勘定科目は「租税公課」です。租税公課は「費用」グループの勘定科目なので、増加は借方に記録します。

複式簿記の借方と貸方の金額は一致します。

勘定科目「定期預金」の仕訳(借方貸方)を一覧で確認

定期預金の仕訳処理
出来事 仕訳
借方科目 金額 貸方科目 金額
預金残高が増えた 定期預金 XXX,XXX 現金、預金、受取利息など XXX,XXX
預金残高が減った 現金、預金など XXX,XXX 定期預金 XXX,XXX

複数の口座を開設した場合の仕訳処理:平成31年(2019)改定論点

平成31年(2019年)から複数口座を開設している場合の仕訳が出題されるようになりました。

ポイントは、複数口座を開設している場合、「普通預金●●銀行」「当座預金▲▲銀行」の様に勘定科目の後ろに銀行名を記載します。

仕訳の方法などは全く変わりません。

複数の銀行で口座を開設していた場合の仕訳処理
出来事 仕訳
借方科目 金額 貸方科目 金額
例)当座預金の残高が増えた 当座預金〇〇銀行 XXX,XXX 現金、▲▲預金●●銀行など XXX,XXX
例)当座預金の残高が減った 現金、▲▲預金●●銀行など XXX,XXX 当座預金〇〇銀行 XXX,XXX
例)普通預金の残高が増えた 普通預金〇〇銀行 XXX,XXX 現金、▲▲預金●●銀行など XXX,XXX
例)普通預金の残高が減った 現金、▲▲預金●●銀行など   普通預金〇〇銀行 XXX,XXX
例)定期預金の残高が増えた 定期預金〇〇銀行 XXX,XXX 現金、▲▲預金●●銀行など XXX,XXX
例)定期預金の残高が減った 現金、▲▲預金●●銀行など XXX,XXX 定期預金〇〇銀行 XXX,XXX

おわりに

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強化学習●のポイント

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では、次の強化学習●で*****習得していきましょう。

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