強化学習

強化学習1-● 支払手数料・受取手数料・差入保証金の詳細と仕訳方法(手数料と保証金の仕訳)

 

「手数料」を表す2つの勘定科目

「手数料」を表す勘定科目には次の2つがあります。

  1. 支払手数料(しはらいてすうりょう)
  2. 受取手数料(うけとりてすうりょう)

この2つの違いは「自分が支払った」のか「自分が受け取った」のかです。

区分 勘定科目 所属グループ
自分が支払った手数料 支払手数料 費用
自分が受け取った手数料 受取手数料 収益

支払手数料と受取手数料に何が該当するのかは、この後解説します。

自分が受け取った手数料は、仕訳の際に注意が必要です。
なぜなら、手数料の発生理由が「本業以外」「本業」かで使用する勘定科目が変わるからです。

  • 本業以外で得た手数料は「受取手数料」で処理
  • 本業で得た手数料は「売上」で処理

この2つの違いについても詳しく説明していきます

勘定科目「支払手数料」の詳細と仕訳方法

勘定科目「支払手数料(しはらいてすうりょう)」とは?

勘定科目「支払手数料」とは
振込手数料、信販会社への手数料、仲介手数料を支払った際に使用する勘定科目

支払手数料に該当するもの

日商簿記3級試験のためには次のような手数料を支払った際に「支払手数料」を使用すると理解していれば問題ありません。

  • 各金融機関での振込手数料
  • クレジットカード決済手数料
  • 不動産購入時の仲介手数料

上記以外には、弁護士・税理士・社会保険労務士・司法書士・コンサルタントなど専門家へ支払う報酬やフランチャイズ加盟手数料が支払手数料に該当します。

差入保証金になります。

勘定科目「支払手数料」の所属グループ

勘定科目「支払手数料」は「費用」の勘定科目に所属します。

基礎学習8で学んだ通り、費用のグループに属する勘定科目の定義は、【***********】です。

勘定科目「支払手数料」と似て非なる「前払手数料」と「差入保証金」

仕訳の際に、勘定科目「支払手数料」と迷う勘定科目には「前払手数料」と「差入保証金」があります。

支払手数料
(しはらいてすうりょう)
日常の仕訳で使用する勘定科目。
振込や決済時の手数料や専門家へ報酬を支払った際に使用する勘定科目。
前払手数料
(まえばらいてすうりょう)
決算期の決算整理で使用する勘定科目。
差入保証金
(さしいれほしょうきん)

 

勘定科目「支払手数料の借方貸方

勘定科目「支払手数料」は、「費用」の勘定科目なので、複式簿記の借方貸方は次のようになります。

費用の増加 必ず、借方に記録
費用の減少 必ず、貸方に記録

仕訳に慣れるまでは、基礎学習6で学んだこの図をメモやノートに書くのがおすすめです。


これが何か思い出せない方は、基礎学習6を後で復習してみてください。

勘定科目「支払手数料」の仕訳タイミング

日商簿記3級試験で出題される「支払手数料」の仕訳のタイミングは次の1つです。

  1. 手数料を支払ったとき

勘定科目「支払手数料」の仕訳を例題とともに理解する

①手数料を支払ったとき
:支払手数料(費用)の増加は左の借方

基礎学習6で学んだ通り費用の増加は必ず借方に記録をします。

例1)

この取引内容は次のように仕訳します。

借方科目 金額 貸方科目 金額

【仕訳解説】

例2)

この取引内容は次のように仕訳します。

借方科目 金額 貸方科目 金額

【仕訳解説】

例3)

この取引内容は次のように仕訳します。

借方科目 金額 貸方科目 金額

【仕訳解説】

勘定科目「受取手数料」の詳細と仕訳方法

勘定科目「受取手数料(うけとりてすうりょう)」とは?

勘定科目「受取手数料」とは
本業以外で手数料を受け取った際に使用する勘定科目

受取手数料に該当するもの

斡旋・仲介・代理・事務・管理などにより受け取った手数料

受取手数料に該当しないもの(受け取った手数料のうち売上になるもの)

取引先や顧客から受け取った手数料でも、本業で得た手数料は受取手数料ではなく「売上」で仕訳します。

  • 不動産屋が賃貸契約で仲介手数料を受け取ったとき
    →不動産屋は賃貸契約の仲介手数料による収益を本業にしているのでこの手数料は「売上」
  • 証券会社が株式の売買手数料を受け取ったとき
    →証券会社は株式の売買手数料による収入を本業にしているのでこの手数料は「売上」

勘定科目「受取手数料」の所属グループ

勘定科目「受取手数料」は「収益」の勘定科目に所属します。

基礎学習8で学んだ通り、収益のグループに属する勘定科目の定義は、【***********】です。

勘定科目「受取手数料の借方貸方

勘定科目「受取手数料」は、「収益」の勘定科目なので、複式簿記の借方貸方は次のようになります。

収益の増加 必ず、貸方に記録
収益の減少 必ず、借方に記録

仕訳に慣れるまでは、基礎学習6で学んだこの図をメモやノートに書くのがおすすめです。


これが何か思い出せない方は、基礎学習6を後で復習してみてください。

勘定科目「受取手数料」の仕訳タイミング

日商簿記3級試験で出題される「受取手数料」の仕訳のタイミングは次の1つです。

  1. 手数料を受け取ったたとき

勘定科目「受取手数料」の仕訳を例題とともに理解する

①手数料を受けとったとき
:受取手数料(収益)の増加は右の貸方

基礎学習6で学んだ通り収益の増加は必ず貸方に記録をします。

例1)

この取引内容は次のように仕訳します。

借方科目 金額 貸方科目 金額

【仕訳解説】

例2)

この取引内容は次のように仕訳します。

借方科目 金額 貸方科目 金額

【仕訳解説】

例3)

この取引内容は次のように仕訳します。

借方科目 金額 貸方科目 金額

【仕訳解説】