仕訳

<強化学習1-23>訂正仕訳【日商簿記3級】

 

【復習】訂正仕訳(修正仕訳)とは?

訂正仕訳(修正仕訳)は、その名の通り間違った仕訳を訂正(修正)するための仕訳です。

訂正するといっても、過去に間違えて記録した仕訳内容を直接修正するわけではありません。

間違えた仕訳を相殺するための仕訳結果の記録を新たに追加します。

言葉だけだと少し分かりづらいですよね。

訂正仕訳の具体的なやり方と例を確認していきましょう。

訂正仕訳のやり方

訂正仕訳は次のように行います。

  1. 間違った仕訳の逆の仕訳(逆仕訳)を行う
  2. 正しい仕訳を行う
  3. 逆仕訳の結果と正しい仕訳の結果を相殺する
  4. 相殺結果を訂正仕訳として記録する

訂正仕訳のSTEPはこの4つですが、解き方は次のどちらかでOKです。

  • ①~④をひとつひとつ仕訳のメモを取りながら行う
  • ②③を飛ばして①→④と行う

このあと同じ間違いを上の2つのパターンで訂正する方法を解説していきます。

個人的には後のパターン(訂正仕訳例2)の方が、お勧めです。

例1:4つのSTEPをメモを取りながら解くパターン

1,000円の商品を仕入れ、代金のうち800円は現金で支払い残高は掛け(売掛)とした

という取引を誤って次のように仕訳をしていたとします。

【間違った仕訳内容】

借方科目 金額 貸方科目 金額
仕入 1,000 現金 200
売掛金 800

現金と売掛金の金額を逆にしてしまっていますね。

本当は次のように仕訳をしなくてはいけませんでした。

【本来行うべき正しい仕訳内容】

借方科目 金額 貸方科目 金額
仕入 1,000 現金 800
売掛金 200

では、具体的にこの間違いを直す訂正仕訳を手順にそって解説していきましょう。

STEP1|間違った仕訳の逆の仕訳(逆仕訳)を行う

誤った仕訳内容を訂正するためにまずは誤った仕訳の逆の仕訳を行います。

逆仕訳は、間違った仕訳の借方と貸方を逆にするだけです。

【間違った仕訳の逆仕訳】

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金 200 仕入 1,000
売掛金 800

ちなみに、この仕訳内容は回答用紙にはまだ書かないメモの段階です。

STEP2|正しい仕訳を行う

次に正しい仕訳を行います。

【本来行うべき正しい仕訳内容】

借方科目 金額 貸方科目 金額
仕入 1,000 現金 800
売掛金 200

この仕訳内容も回答用紙にはまだ書かないメモの段階です。

STEP3|逆仕訳の結果と正しい仕訳の結果を相殺する

先ほど行った、逆仕訳と正しい仕訳の内容を比較し、借方と貸方で同じ勘定科目の内容を相殺していきます。

借方科目 金額 貸方科目 金額
逆仕訳の
結果
現金 200 仕入 1,000
売掛金 800
600
正しい仕訳
の結果
仕入 1,000 現金 800
600
売掛金 200

▼相殺内容
現金は、借方に200、貸方に800なので相殺すると【貸方600】
売掛金は、借方に800、貸方に200なので相殺すると【借方600】
仕入は、借方に1000、貸方に1000なので相殺すると【なし】

STEP4|相殺結果を訂正仕訳として記録する

先ほどの相殺内容を記録すれば訂正仕訳は完了です。

【訂正仕訳結果】

借方科目 金額 貸方科目 金額
売掛金 600 現金 600

この内容を回答用紙に記入します。

補足解説

先ほどのSTEP1~4の解説では、それぞれの段階の仕訳内容を書きましたが、実際の帳簿にはこのように記録されます。

借方科目 金額 貸方科目 金額
仕入 1,000 現金 200
売掛金 800
xxxx *** xxxx ***
xxxx *** xxxx ****
売掛金 600 現金 600

間違った仕訳を行った後に、他の仕訳を記入していることもあるためxxxxと***で2行分入れています。

最後の行が訂正仕訳です。

例2:4つのSTEPのうち3と4を頭の中で考えるパターン

先ほど解説した説明のように順を追わなくても、次のように訂正仕訳を行うことも可能です。

1,000円の商品を仕入れ、代金のうち800円は現金で支払い残高は掛け(売掛)とした

という取引を誤って次のように仕訳をしていたとします。

【間違った仕訳内容】

借方科目 金額 貸方科目 金額
仕入 1,000 現金 200
売掛金 800

最初の間違った仕訳の内容から次の情報をピックアップします。

  • 現金は600円少ない状態
  • 売掛金は600円多い状態
  • 仕訳は間違いがない状態

この状態を正しく直すために次のことを考えます。

  • 現金は600円少ない状態
    →現金600円を増やす
  • 売掛金は600円多い状態
    →売掛金600円を減らす
  • 仕訳はまちがいない
    →何もしない

今考えたことを借方貸方にあてはめると次のようになります。

  • 現金600円を増やす
    →現金の増加なので借方に現金600
  • 売掛金600円を減らす
    →資産の減少なので貸方に現金600

(どうしてこの仕訳になるのかよくわからなかった方は、基礎学習6の仕訳の4STEPをあとで確認してくださいね。)

今の内容を複式簿記で記録すると訂正仕訳となります。

【訂正仕訳結果】

借方科目 金額 貸方科目 金額
売掛金 600 現金 600

これで訂正仕訳は完了です。

【練習問題】訂正仕訳

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